税理士を目指した理由が、「人の役に立つ、社会貢献」などといった立派なものだったらよかったのですが、そうではありません。

高校を卒業してすぐアメリカに渡りました。

その年の8月、ロサンゼルスにあるサンタモニカカレッジという州立の二年制大学に入学し、そこを卒業しています。

あのお笑いの「なかやまきんに君」も卒業した学校です。

その学校を選んだ理由が、憧れのUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)への編入率が断トツだったからです。

アメリカでは、最初から四年制大学に入学しなくても、このように編入することも一般的でそのルートも確立されています。

サンタモニカカレッジでは編入を前提で勉強していたのですが、いざ次の進路を決める直前で、あることに影響を受け、編入せずに卒業して日本に戻りました。

その後、就職するまで別の国々に行っていたのですが、このあたりは長くなるので別の機会に書きたいと思います。

いざ就職しようと思ったのですが、困りました。

仕事をどうするか、考えているようで全然真剣に考えていなかったのです。

就職活動というものもしていません。

とりあえず色々と調べて、興味がある会社に履歴書を送ったりもしましたがダメでした。

そんななかで、たまたま見つけたのが税理士という職業です。

社会人経験もないので、税理士が何なのかもよく分かりません。

そもそも、「税理士」という言葉を知っていたかも微妙です。

調べていくと、いい言葉がいっぱい並んでいます。

「平均年収3,000万」「独立開業できる」「試験に合格すれば税理士になれる」「科目合格制、1年1科目でも合格すれば5年でなれる、最短で2年~3年」「働きながらの勉強でも可能」

今だったら、これが本当に言葉通りなのか判断できます。

しかし、当時は調べる能力もあまりなく、今のようにたくさんの情報もありません。

なにより社会的な経験がなかったので、これを言葉通りに受け止めました。

このなかで、「独立開業」という言葉に惹きつけられました。

自分で事務所を開いて自分でできる。

ずっとサラリーマンもなぁ、となんとなく思っていた自分にはとても魅力的でした。

こうやって始まりました。

大学で簿記のクラスはとったことはあるものの、ほぼ初心者状態です。

まずは簿記3級と2級を取ろうと思い、資格の大原に申し込みました。

東京の水道橋でのスタートです。

それと同時に、大原の校舎の掲示板に貼ってあった求人をみて、会計事務所にも応募し仕事もスタートしました。

こうやって税理士業界に入り、同時に長い税理士試験も始まりました。

はじめの動機は大したことありませんが、今では、自分で力になれることは全力でサポートさせていただきたいと心の底から思っています。